日照時間の増加による
「セロトニン暴走」リスクとは?
セロトニンの正体と光との関係から見える新たな視点
はじめに
春から夏にかけて、日照時間は次第に長くなり、私たちの生活にもさまざまな影響を及ぼします。朝の目覚めがスムーズになり、活動的な気分になるなど、ポジティブな側面が注目されがちですが、近年、一部で「日照時間の増加によるセロトニン暴走」という言葉も聞かれるようになってきました。セロトニンは“幸せホルモン”とも呼ばれ、メンタルヘルスとの関わりが深い神経伝達物質ですが、それが「暴走する」とはどういうことなのでしょうか?この現象は本当に起こり得るのか、科学的な観点とともに深掘りしていきましょう。
セロトニンとは何か?
セロトニンは、脳内に存在する神経伝達物質の一つで、感情や気分の安定、睡眠、食欲、痛みの知覚など、私たちの心身のバランスを保つうえで極めて重要な役割を果たしています。特に、うつ病や不安障害などの精神疾患との関係が深く、セロトニンの分泌が不足すると、気分の落ち込みや不安感の増大などの症状が現れることが知られています。
セロトニンの分泌は主に「日光(紫外線を含む可視光線)」によって促進され、朝日を浴びることでその活動が活性化します。これが「朝の光を浴びると元気になる」と言われる根拠の一つです。
「セロトニン暴走」とは?
一方で、「セロトニン暴走」という言葉は、科学的には正式な医学用語ではありません。しかし、近年一部のSNSやメディア、健康関連のサイトで、日照時間が急激に増加する春先や夏場に「気分が高ぶりすぎる」「落ち着きがなくなる」「怒りやすくなる」といった報告とともにこの言葉が登場し、注目を集めています。
これは、セロトニンが過剰に分泌されることで、自律神経や精神面に過剰な刺激を与え、かえって不安定な状態に陥るという仮説です。この現象は、次に述べる「セロトニン症候群」とは区別されるべきですが、原因と症状の一部に類似点が見られます。
セロトニン症候群との違い
セロトニン症候群(Serotonin Syndrome)は、医薬品の相互作用や過剰摂取により、体内のセロトニン濃度が異常に上昇することで生じる急性の症候群です。主な症状には、興奮、不安、発汗、震え、発熱、筋肉のこわばり、けいれん、錯乱などがあり、重篤な場合は命に関わることもあります。
この症状は主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やMAO阻害薬など、セロトニンに作用する薬剤の影響で発生するため、日照時間の増加と直接結びつくものではありません。
しかしながら、「セロトニン暴走」という概念では、薬剤によらず自然要因(特に日照)によってセロトニン活動が過剰になり、結果として交感神経の過剰興奮や情緒の不安定が引き起こされる可能性が示唆されています。
日照時間と精神状態の関係
日照時間と精神の健康状態には明確な相関があります。たとえば、冬季うつ(季節性情動障害:SAD)は、日照時間が短くなる秋から冬にかけて発症しやすく、これはセロトニンやメラトニンの分泌バランスの乱れによるものと考えられています。
その一方で、春から夏にかけて日照時間が急激に伸びる時期にも、精神的な不調を訴える人が一定数存在します。特に、春に入って急に気温が上がり、日照時間が長くなることで体内リズムが乱れ、交感神経が過剰に優位になり、動悸や焦燥感、不眠などの症状が現れるケースがあります。これは「春バテ」「春の自律神経失調」と呼ばれることもあり、セロトニン活動の急激な変化が関係しているとする説もあります。
セロトニンの過剰が引き起こす可能性のある状態
セロトニンは“過ぎれば毒”とも言える存在です。過剰なセロトニン活動が以下のような症状につながる可能性があります:
情緒不安定や攻撃性 過剰なセロトニンは、通常の情緒調整能力を越えた刺激を与え、不必要な怒りや衝動性を生むことがあります。
慢性的な不安や緊張感
本来リラックスを促すはずのセロトニンですが、その分泌が過剰になると自律神経が交感神経優位に傾き、常に緊張状態になることがあります。
消化器系の不調
セロトニンの約90%は腸に存在するため、過剰な分泌があると腹痛や下痢、吐き気などの症状が出る場合もあります。
不眠や過眠
セロトニンはメラトニン(睡眠ホルモン)の原料でもありますが、そのバランスが崩れると睡眠リズムに影響を及ぼします。
セロトニン暴走を防ぐ生活習慣
セロトニンのバランスを整え、日照時間の変化に柔軟に対応するには、以下のような生活習慣が効果的です。
1. 朝の光を「適度に」浴びる
日光を浴びることは重要ですが、急に長時間の光を浴びるのではなく、朝の短時間(日の出から2時間以内の自然光)を意識的に取り入れることが推奨されます。紫外線によるダメージも考慮し、肌への影響を最小限に留める工夫も必要です。
2. リズム運動を習慣化する
ウォーキングやジョギング、咀嚼、呼吸法などの「リズム運動」はセロトニン活性化に効果がありますが、過剰に行うとストレスや自律神経の乱れを招くこともあるため、無理のない範囲で行いましょう。
3. 食事でトリプトファンを摂取
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から作られます。大豆製品、乳製品、バナナ、ナッツ、魚などの食材をバランスよく摂取することで、自然なセロトニン合成が促されます。
4. 夜は暗く、静かに過ごす
日中の光刺激が強すぎると、夜のメラトニン分泌に影響し、睡眠の質が落ちることがあります。夜は照明を落とし、ブルーライトを避け、リラックスした時間を過ごすことが重要です。
結論:セロトニンは「バランス」が命
日照時間の増加によってセロトニンが活性化するのは確かですが、それが「暴走」してしまうかどうかは、その人の生活習慣や体調、精神状態に大きく左右されます。大切なのは、セロトニンの分泌を促進することばかりに囚われず、「適切なバランス」を保つことです。
過剰な日光浴やサプリメントの乱用によって、体内のホルモンバランスが崩れるリスクを軽視してはなりません。健康的な心と身体を保つためには、日々の生活の中で自然なリズムを大切にし、無理のない範囲での光との付き合い方を心がけましょう。
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