日光を浴びても元気が出ない人へ。セロトニン生成に“差”が出る理由とは


日照時間増加に伴う
セロトニン生成の
個人差とは

はじめに

私たち人間の心身の健康に大きな影響を与える神経伝達物質の一つに「セロトニン」があります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分の安定、ストレスの緩和、睡眠の質向上などに関与することが知られています。このセロトニンは、日光を浴びることで脳内での合成が促進されるため、日照時間と密接な関係があります。春から夏にかけて日照時間が増えると、セロトニンの分泌量も増加し、気分が明るくなりやすくなります。

ところが、同じように日照を浴びていても、ある人は心が晴れやかになる一方で、別の人はあまり変化を感じない、あるいは逆に体調不良を訴えることもあります。こうした反応の違いには「個人差」が存在します。本記事では、日照時間の増加によるセロトニン生成の仕組みと、そこに生じる個人差について、科学的な視点から掘り下げて解説していきます。


セロトニンと日照時間の基本的関係

セロトニンは脳内の神経伝達物質であり、精神の安定に関与しています。トリプトファンという必須アミノ酸を材料にして生成され、日光(特に太陽光に含まれる青色光)を浴びることで脳内のセロトニン神経が活性化されます。この作用によって、覚醒の維持、気分の安定、集中力の向上といった恩恵を受けることができます。

日照時間が短くなる冬季には、こうしたセロトニンの生成が抑制され、気分の落ち込み、倦怠感、過食、過眠などの症状を伴う「季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder: SAD)」が見られることがあります。これは、セロトニン不足と密接に関係していると考えられています。

そのため、日照時間が増える春から夏にかけては、セロトニンの生成が活発になり、SADの症状が改善されることが多く見られます。


セロトニン生成に関わる主な要因

セロトニンの生成には以下の要因が関与しています:

1. 日光の刺激

日光、とくに早朝の太陽光は、網膜を通して視交叉上核(体内時計の中枢)を刺激し、セロトニン神経を活性化します。

2. トリプトファンの摂取

セロトニンはトリプトファンから生成されるため、バナナ、大豆、乳製品などを食事で摂取することも重要です。

3. リズム運動

ウォーキングやジョギングなど、一定のリズムで身体を動かす運動はセロトニン神経の活性化につながります。

4. 睡眠とメラトニン

セロトニンは夜間には「メラトニン」という睡眠ホルモンに変換されるため、質の良い睡眠とセロトニンの分泌は相互に関係しています。


個人差が生じる理由

それでは、なぜ日照時間が同じように増えても、セロトニンの生成に差が生じるのでしょうか。以下に、科学的に認められている主な要因を紹介します。

1. 遺伝的要因

セロトニンの取り込みに関与する遺伝子「5-HTTLPR」の多型が、個人のセロトニン生成能力に影響することが知られています。この遺伝子には「L型」と「S型」があり、L型を持つ人はセロトニンの取り込みが良好で気分の安定性が高いのに対し、S型を持つ人はストレスに対して敏感で、セロトニンの作用が弱くなりやすいという報告があります。

2. 性別による違い

女性は男性に比べてセロトニンの分泌が少ないとされており、またホルモンバランスの影響を強く受けやすいです。特に月経周期、妊娠、出産、更年期などのホルモン変動がセロトニンバランスに影響を与えることがわかっています。

3. 年齢

加齢に伴い、セロトニンの分泌量は減少する傾向があります。高齢者は日光の影響を受けにくくなる場合があり、若年層よりも日照の恩恵を受けにくいことがあります。

4. ライフスタイル

現代人は屋内での生活が多く、特に都市部に住む人々は日照を十分に浴びる機会が限られています。スマホやパソコンのブルーライトの影響で体内時計が乱れ、セロトニン分泌が不安定になる場合もあります。


セロトニン分泌を高めるための実践法

個人差があるとはいえ、日照によるセロトニン生成を最大限に引き出すためには、以下の習慣が有効です。

1. 毎朝、光を浴びる習慣を作る

起床後30分以内に15~30分間、太陽光を浴びることが推奨されます。曇りの日でも屋外に出ることで、十分な光刺激を得ることが可能です。

2. リズム運動を取り入れる

ウォーキングやダンスなど、一定のリズムを持つ運動はセロトニン神経の活性化に効果的です。朝の時間帯に行うとより効果が高まります。

3. 食事にトリプトファンを取り入れる

トリプトファンは、肉類、乳製品、ナッツ、豆類、バナナなどに多く含まれています。ビタミンB6と一緒に摂取することで合成がスムーズになります。

4. 睡眠の質を高める

セロトニンは夜になるとメラトニンへと変換され、良質な睡眠をもたらします。逆に、睡眠不足や生活リズムの乱れは、日中のセロトニン生成に悪影響を与えます。

5. 光療法の活用

特に冬季や日照時間が短い地域に住む人は、人工的な強い光を浴びる「光療法(ライトセラピー)」も有効です。専用のライトボックスを使い、朝30分程度使用することでセロトニン分泌が促進されます。


おわりに

日照時間の増加は、セロトニンの生成を促し、心身の健康に良い影響を与えますが、その効果は万人に均一ではなく、個人差があります。遺伝的体質やホルモンバランス、年齢、ライフスタイルなどの要因によって、セロトニンの分泌量や反応の仕方が異なるのです。

こうした個人差を理解し、自分に合った方法でセロトニンの生成を促進することが、より健康で前向きな毎日を送るカギとなります。朝日を浴び、軽く体を動かし、栄養バランスのとれた食事を摂る——そんな日常の小さな工夫が、心の健康を支える力になるのです。


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