「5月の紫外線が肌の菌バランスを壊す!?皮膚トラブルの原因は“見えない微生物”だった」


5月のUV-B量が皮膚常在菌に与える影響:最新研究と実生活への示唆

はじめに

紫外線は地球に降り注ぐ太陽光の一部であり、その中でもUV-B(波長280〜315nm)は皮膚に対して非常に影響力の強い成分です。特に日本では春先から初夏にかけてUV-B量が急激に増加し、5月には多くの地域で年間を通じて高い水準を記録します。従来、紫外線の皮膚への影響としては日焼けや皮膚癌、光老化などが注目されてきましたが、近年、皮膚常在菌叢(マイクロバイオーム)への影響にも関心が高まっています。

皮膚には多様な微生物が常在しており、これらは皮膚の免疫系やバリア機能と密接に関わっています。本稿では、5月に増加するUV-Bの量が皮膚常在菌に与える影響を、科学的知見に基づいて考察し、実生活での対応策も提案します。


1. 5月におけるUV-B量の特徴

気象庁の観測データによると、日本におけるUV-B量は春から夏にかけて急上昇し、5月には年間で3番目に多いUV-B照射量が記録されます。特に関東・関西・中部地方では、5月の中旬から後半にかけて紫外線量が急激に高まり、真夏とほぼ同等の強度に達する日もあります。

この時期のUV-Bの強さは、日中の太陽高度が高くなること、オゾン層の厚みがやや薄くなること、大気中の水蒸気やエアロゾルの影響が少ないことなどが要因とされています。


2. 皮膚常在菌とは何か?

皮膚常在菌とは、皮膚の表面や毛穴などに常に存在している微生物群を指します。これには細菌、真菌、ウイルスなどが含まれますが、主に注目されているのは細菌です。代表的な菌には以下のようなものがあります。

  • Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌):皮膚のバリア機能を助ける。

  • Cutibacterium acnes(旧Propionibacterium acnes):皮脂を分解するが、過剰になるとニキビの原因にも。

  • Corynebacterium属:皮膚のpHバランスを調節する。

これらの常在菌は、病原体の侵入を防ぐ「バリア」として機能したり、皮膚の免疫応答を調節したりする重要な役割を担っています。


3. UV-Bが皮膚常在菌に及ぼす影響

3.1 直接的な影響

UV-Bは高エネルギーの紫外線であり、DNAに直接的な損傷を与える性質があります。これはヒトの細胞だけでなく、皮膚常在菌にも同様に作用します。紫外線照射により細菌のDNAが損傷し、アポトーシス(細胞死)や突然変異を引き起こす可能性があります。

ある研究では、UV-B照射を受けたStaphylococcus epidermidisの増殖が有意に抑制されたという結果が報告されています。一方で、UVに対して比較的耐性を持つCorynebacterium属は、他の菌が減少した環境で優位に立つことが確認されています。これにより皮膚常在菌叢のバランスが乱れ、「ディスバイオーシス(dysbiosis)」と呼ばれる状態に陥ることがあります。

3.2 間接的な影響

UV-Bは皮膚の免疫機能にも影響を与えます。紫外線により免疫抑制物質(例:IL-10やTNF-α)が分泌されると、免疫細胞の働きが変化し、皮膚常在菌との共生関係にも変化が生じます。

また、皮膚のpHが一時的に上昇したり、水分量が減少することで、環境に敏感な常在菌の構成が変化します。特に乾燥に弱い菌種は減少し、皮膚トラブルの原因となる微生物が増加しやすくなります。


4. 皮膚常在菌バランスの乱れが引き起こすリスク

皮膚常在菌のバランスが崩れると、以下のような皮膚トラブルが起こりやすくなります。

  • アトピー性皮膚炎:Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)の過剰増殖が病態に関与。

  • ニキビ:Cutibacterium acnesの異常増殖が毛穴の炎症を誘発。

  • 乾燥性皮膚炎:皮膚バリアの機能低下と水分保持力の低下により悪化。

これらの疾患は、紫外線による微生物バランスの乱れと皮膚の炎症反応が連鎖的に影響し合うことで発症または悪化することが知られています。


5. UV-B対策と皮膚常在菌の保護法

5.1 紫外線対策

  • 日焼け止めの使用:SPF30以上、PA+++以上のブロードスペクトラム製品を選ぶことが推奨されます。

  • 帽子や衣服による物理的遮蔽:顔や首など露出の多い部分は特に注意。

  • 外出時間の調整:午前10時〜午後2時を避けることで照射量を大幅に減らせます。

5.2 スキンケアによる微生物保護

  • 洗浄剤の選択:殺菌力の強い石鹸やボディソープは常在菌を過剰に減らすため、弱酸性の製品を選ぶことが望ましい。

  • 保湿:保湿によって皮膚環境を整えることで、常在菌の生息に適した状態が維持されます。

  • プロバイオティクス・プレバイオティクス:最近では皮膚の善玉菌をサポートするスキンケア製品も増えており、これらを活用することも効果的です。


6. 今後の研究動向と展望

皮膚常在菌と紫外線の関係はまだ発展途上の研究分野です。今後は以下のような方向での研究が期待されます。

  • 紫外線によって変化する菌種の特定と、そのメカニズムの解明

  • 紫外線耐性を持つ常在菌の育成・応用

  • 皮膚常在菌叢の状態を指標とした個別化スキンケアや診断法の開発

これらの研究が進めば、より安全で効果的な皮膚ケアの手法が確立される可能性があります。


おわりに

5月は紫外線、特にUV-Bの量が増加する季節であり、皮膚の健康管理が重要になる時期です。紫外線は皮膚の表面に存在する常在菌叢にも直接的・間接的に影響を与え、皮膚トラブルの一因となり得ます。適切な紫外線対策とスキンケアによって、皮膚常在菌のバランスを保ち、健康的な肌を維持することが可能です。

私たちの肌の「見えないパートナー」である常在菌を守ることは、美肌だけでなく、健康な生活全体を支える第一歩なのです。


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