「春の鼻炎=花粉症」はもう古い!実は4月に急増する“正体不明の鼻炎”とは?


4月から急増する
「非アレルギー性鼻炎」とその誤診率

春の訪れとともに、多くの人がくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状に悩まされます。日本では3月から4月にかけてスギやヒノキの花粉が大量に飛散するため、「春の鼻炎=花粉症」と考えがちです。しかし、実際にはアレルゲンに反応していないにもかかわらず、同様の症状を呈する「非アレルギー性鼻炎(Non-Allergic Rhinitis、以下NAR)」が存在します。そして近年、このNARの患者数が4月以降に急増する傾向が指摘されています。

さらに深刻なのは、この非アレルギー性鼻炎が、アレルギー性鼻炎と誤診されるケースが非常に多いという点です。誤診によって不適切な治療が続けられると、患者のQOL(生活の質)が低下し、慢性症状や他の疾患の発症リスクにもつながりかねません。本稿では、非アレルギー性鼻炎の特徴と4月に増加する理由、そして誤診率の実態とその対策について詳しく掘り下げていきます。


非アレルギー性鼻炎とは何か?

NARとは、アレルギー反応を伴わない慢性的な鼻炎症状を指します。くしゃみや鼻水、鼻づまりといった典型的な症状が見られる一方で、アレルギー検査(IgE抗体測定や皮膚テスト)では陽性反応が出ない点が特徴です。NARは一つの疾患ではなく、以下のようにいくつかのサブタイプに分類されます。

  • 血管運動性鼻炎(Vasomotor Rhinitis):温度変化、湿度、強い匂い、煙、ストレスなどが誘因。

  • 薬剤性鼻炎:降圧薬(特にACE阻害薬)や鼻詰まり用スプレーの長期使用によるもの。

  • ホルモン性鼻炎:妊娠、更年期、月経などホルモン変動に関連。

  • 職業性鼻炎:特定の職場環境下での化学物質や粉塵の曝露によるもの。

  • 非特異的刺激反応性鼻炎:原因が特定されず、複数の要因が関係していると考えられるもの。

これらはアレルギー検査では検出できず、問診や症状のパターンから総合的に判断されます。


なぜ4月に増加するのか?

4月という時期は、気温が上昇し始めると同時に、生活環境やライフスタイルにも大きな変化がある季節です。年度の切り替えによって進学、就職、異動などのストレス要因が重なり、自律神経のバランスが崩れやすくなります。これがNAR、とくに血管運動性鼻炎の誘発因子になります。

また、日本ではスギ花粉のピークが3月中旬から下旬にかけてであり、4月に入るとヒノキ花粉が優勢になります。この時期になると、「スギのアレルギーがないのに鼻がむずむずする」という人も多くなり、NARの可能性が高まります。

さらに、気温の寒暖差が激しい春先は、鼻粘膜の血管が急激に拡張・収縮することで、鼻炎症状が引き起こされやすくなります。冷たい朝に出勤して温かい室内に入る、あるいは逆に冷房が効いたオフィスにいるといった日常的な状況が、NARの症状を誘発します。


非アレルギー性鼻炎の誤診率の実態

NARはその症状がアレルギー性鼻炎と酷似しているため、誤診されやすい疾患です。ある国内の研究では、耳鼻咽喉科を受診した慢性鼻炎患者の約30~40%が、実際にはアレルゲンに反応していない非アレルギー性鼻炎であったという報告があります。また、米国の調査では、アレルギー性鼻炎と診断された患者のうち、最大50%が誤診だった可能性が示唆されています。

日本の臨床現場でも、アレルギー性鼻炎とNARの判別が不十分なまま抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬が処方され続けるケースは珍しくありません。こうした誤診の背景には、医療現場での時間的制約や、NARに対する知識の浸透不足があると考えられます。


誤診を防ぐために必要なアプローチ

  1. アレルギー検査の徹底

    • 鼻炎の症状がある場合、まずアレルギー検査(血液検査・皮膚テスト)を行い、IgE抗体の有無を確認する必要があります。

  2. 問診と誘因の特定

    • 「花粉の時期以外でも症状が出るか?」「職場や自宅の環境に変化はあるか?」「薬の服用歴は?」といった問診が重要です。

  3. 生活習慣と自律神経の評価

    • 睡眠不足やストレスが誘因になっている場合、鼻炎ではなく自律神経の問題が本質であることもあります。

  4. 治療への反応をチェック

    • 抗アレルギー薬が効かない場合、NARを疑い、治療方針の見直しが必要です。

  5. 耳鼻咽喉科専門医との連携

    • 内科ではなく、耳鼻科専門医の診断を受けることで、より的確な判別が可能になります。


NARに対する治療戦略

NARの治療はアレルギー性鼻炎とは異なり、原因を取り除くことよりも、症状の誘因を管理し、生活の質を維持することに重点が置かれます。

  • 抗コリン薬の点鼻 → 血管運動性鼻炎には、鼻水を抑える効果があります。

  • 生活環境の改善 → 気温差を避け、ストレスを軽減する工夫が有効です。

  • 鼻洗浄や保湿 → 粘膜の乾燥や刺激を防ぎ、炎症を抑える効果があります。

  • 認知行動療法的アプローチ → ストレスが大きな原因の場合、心理的支援も有効です。


まとめ

4月は花粉症のシーズンの終盤であり、アレルギー性鼻炎の影に隠れて非アレルギー性鼻炎が急増する時期でもあります。気温差や生活の変化により自律神経が乱れやすい季節であり、それがNARの発症と悪化を助長します。

しかし、アレルギー性鼻炎との類似した症状ゆえに多くの誤診が生じ、誤った治療が行われることで症状が長引くケースも少なくありません。NARへの理解と適切な診断が医療現場でより重視されることで、多くの患者が本来の健康を取り戻せるはずです。

鼻の症状が続く、または薬が効かないと感じた場合、ぜひ一度アレルギー検査を受けること、そして耳鼻咽喉科の専門医に相談することをおすすめします。症状の正しい理解と対応こそが、快適な日常生活への第一歩です。


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